CSSとは?CSS DVDコピーガードを解除できるフリーソフトおすすめ!
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目次
DVDには、コピーを防止する様々な技術、いわゆるコピーガードが施されています。その中でも最も早期に解除方法が見つかってしまったのが「CSS」です。このCSSとはどのような技術で、解除された経緯はどのようなものだったのでしょうか。今回は、コピーガードとしてのCSSの概要やその歴史、解除に至った経緯や解除方法について説明します。
1. CSSとは、何ですか?
CSS (Content Scramble Systemの略称) は、主に商用DVDで使用されるデジタル著作権管理および暗号化方式であり、DVDコンテンツが不正にコピーおよび配布されるのを防ぎます。
仕組み
40ビットの暗号化キーを使用してDVDのコンテンツを暗号化し、DVDプレイヤーや再生ソフトが解除キーで暗号化を解除することで初めて再生が可能となる仕組みです。
CSSのライセンスを管理するDVD Copy Control Association社に認可されたDVDプレイヤーや再生ソフトのみに暗号化の解除機能が搭載され、復号キーの信号も同様にライセンスを付与された正規のプレス工場で生産されたDVDにのみ記録されます。
言い換えれば、録画のために使用される記録用DVDにダビングした場合、復号キーの信号まではコピーできないため、ダビング先のDVDは正常な再生ができなくなるのです。
2. CSSを解除するのは、違法ですか?
CSSは、コピーガードの一種ですが、コピーする行為そのものを防ぐコピーコントロールではなく、暗号化を解除しない限り視聴を出来なくさせるアクセスコントロールに分類されます。CSSのかかったDVDのファイルは暗号化を解除しない限り再生ができませんが、コピーする事自体は可能です。
コピーコントロールとアクセスコントロールは、著作権法上の扱いも異なります。コピーコントロールは解除した時点で法律違反ですが、アクセスコントロールは解除しただけでは法律違反に当たりません。解除した上で、コピーを行ってししまうと法律に抵触します。アクセスコントロールを回避、もしくは解除した上でコピーを行うことは、私的複製の対象外となり違法行為となるため注意しましょう。
3. CSSが突破されてしまった経緯
CSSは、1996年に松下電器(現在のパナソニック)が中心となって開発が行われました。再生ソフトやDVDプレイヤーのメーカーには、搭載した鍵の暗号化を施す必要がありました。再生ソフトを逆行分析することで鍵を解析されてしまうことを防ぐためです。
しかし、あるDVDプレイヤーソフトの開発元がこの暗号化を怠ってしまい、1999年、これに目をつけたノルウェーの当時16歳の少年がCSSの暗号鍵の解析に成功しました。結果として少年の手によってCSSを回避するためのツール「DeCSS」が開発され、Linux環境上でコピーされたDVDの視聴が可能となったのです。
現在では、このDeCSSと同様にCSSを回避するためのツールが数多く存在しています。「リッピングツール」と呼ばれるこれらのツールを利用して、CSSを回避して仮想的なDVDディスクを作ったり、ダビングを行ったりすることが可能です。DeCSSの登場からしばらくの間は、私的利用目的でCSSを回避してDVDの複製を行うことは、著作権法上は問題ありませんでした。何故ならば、CSSは先述したように「コピーコントロール」ではなく「アクセスコントロール」だったからです。
1999年に改正された著作権法では、技術的保護手段を回避して複製を行う行為は違法と定められました。しかし、この「技術的保護手段」は複製を抑止する手段、即ち「コピーコントロール」のみが対象となっていたのです。CSSは暗号化することでコピーしたデータを再生できないようにする「アクセスコントロール」のため、著作権法による規制の対象外でした。アクセスコントロールが規制対象に含まれるのは2012年の著作権法改正からで、以降現在に至るまでCSSを解除しての複製は違法行為とされています。
4. CSS DVDコピーガードを解除できるフリーソフトおすすめ
CSS DVDコピーガードを無料で解除したいなら、以下のフリーソフトをお試してみましょう。CSSより強いコピーガードを解除するのは、有料なDVDリッピングソフトをお勧めします。
DVD Decrypter
DeCSSの登場以降、CSSの解除機能を搭載したフリーソフトが多数登場しました。ノルウェーで開発された「DVD Decrypter」はその代表格です。
このソフトはDVDを読み取り、CSSを回避した状態のディスクイメージファイルを作成します。ディスクイメージファイルは、記録用DVDに書き込むことができるほか、仮想ディスクドライブに読み込ませることで通常のDVD同様にパソコン上で再生することも可能です。アクセスコントロールを回避しての複製が規制されて以降は開発がストップしており、同一作者が開発した後継ソフトのImgBurnにはCSS回避技術は搭載されていません。
DVD Shrink
同様にディスクイメージを作成するツールには、「DVD Shrink」も挙げられます。CSSを回避してのリッピング機能、ディスクイメージの加工や圧縮、オーサリング機能、ライティング機能を備えており、DVDのダビングを行う上で必要な作業をこのソフト一本でこなすことが可能です。こちらも開発は終了しており、違法化後の2015年には日本語版を紹介したWebサイトの管理者やパソコン雑誌の編集者が著作権法違反や著作権法違反幇助の疑いで検挙されています。
DVDFab HD Decrypter
現在も開発が続いているフリーソフトの代表格は、「DVDFab HD Decrypter」です。フリー版は機能が大幅に制限されたパッケージであり、幅広い形態でのDVDコピーや動画圧縮機能などをフルに使うことが出来る有料の製品版も存在します。機能が制限されているとは言え、フリー版でもCSSの解除機能は備えているため、利用には注意が必要です。なお、日本国内で販売されているパッケージ版ではCSS解除機能がオミットされています。
DVD43
ここまで紹介したソフトは、DVDを読み込み、コピーやイメージ作成機能を備えたソフトです。一方で、常駐型のDVDリッピングソフトも存在します。その中でも一時期かなりのユーザー数を誇ったのがDVD43です。このソフトを起動した状態でDVDを読み込むと、その段階でCSSを始めとするコピーガードを突破してしまいます。後は通常のリッピング機能を持ったライティングソフトを使えば、CSSの無いDVDと同じようにコピーが出来てしまいます。DVD43は2009年を最後に開発が終了しており、より多機能かつ多くのコピーガードに対応したシェアウェアのAnyDVDに取って代わられています。
5. CSS解除機能を持つフリーソフトを取り扱う際の注意点
CSS解除機能を持つフリーソフトは、市販の再生専用のDVDのコピーに使用した場合は例えそれが個人で楽しむ目的であったとしても違法です。再生専用のDVDソフトをコピーする目的での使用は避けましょう。もちろん、これらのツールを利用して、ホームビデオを記録したDVDを親戚や知人に配る目的でダビングを行う分には問題ありません。
また、CSS解除機能を持つフリーソフトをダウンロードできるサイトへのリンクを貼ったり、自分のサイトで配布したりした場合は著作権法違反や違反の幇助として検挙されてしまいます。少なくとも日本の法律においては違法行為であるため、配布やリンクの添付などは絶対にしてはいけません。
そして、CSS解除機能を持つフリーソフトの大半は開発が終了しているため、現行バージョンにバグがあった場合でもアップデートでの対応は行われません。これらのソフトの利用者を狙ったコンピュータウィルスが発生したとしても開発者による対応は行われないため、使い続けることにはセキュリティ上のリスクがあることを常に注意しましょう。
6. CSSが突破されたことは著作権の歴史上意義のあることだった
CSSが突破されてしまったこと自体は、DVDで映像ソフトを提供している映画会社やビデオ会社等にとって手痛いダメージを被ったと言えます。しかし、このことがきっかけとなって、著作権法でアクセスコントロールも「技術的保護手段」に含まれるようになり、地デジやブルーレイのコピーガードはより強固なものが開発されました。CSSの突破は後の著作権の歴史において、まさにターニングポイントになったのです。
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